大判例

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仙台高等裁判所 昭和25年(う)705号 判決

刑事訴訟法第二百九十六条第三百一条等の規定の趣旨からみれば裁判官が証拠調に当り予め被告人の従来の供述の内容を知るとか、他の証拠の内容を知るとかいうことのないいわゆる白紙の状態で審理に臨むべきであることは、刑事訴訟法の一応の原則と解せられるのであつて、裁判所が証拠調に先達ち被告人に対し犯罪事実の内容、動機等の詳細の質問をなすことは、右の原則に合致していないものと解せられる。しかしながら右の原則はどこまでも貫ぬかれているとはいえないのであつて、或る場合には勾留裁判官がその被告人の公判審理をなすことも認められており、また裁判官の更迭による公判手続の更新の行われる場合とか差戻後の審理の際には右の原則が適用ないことが明らかであり、これ等の場合と比較対照してみれば、前記の証拠調前の被告人に対する質問は望ましいものとはいい得ないとするも、訴訟手続に反する違法なものであるとまでは解し難い。従つて原裁判所が証拠調に先達ち、被告人に所論のような質問をしているからといつて違法であるとは認められない。

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